【木材がない】ウッドショックの原因と影響で今後どうなる?
皆さま、こんにちは。
職人の手づくりにこだわり、自然素材を大切にする、
国産材の無垢の木の家「キグミノイエ」です。
今、家づくりに関わる業界を騒然とさせている、重大ニュースがあります。
それは「ウッドショック」
一般のメディアでもようやく取り上げられはじめたので、
ニュースかなにかで、耳にしたこともあるかもしれません。
ウッドショックにより、
「木材の価格が高騰している」「木材が足りない」「家が建てられなくなるかも」
などの不安の声を見聞きすることも増えました。
ウッドショックとは何か。
そして、その原因と影響をお話していきたいと思います。
第三のウッドショック到来
過去にも二度ウッドショックがありました。
(第一次:1992~93年 第二次:2006年)
今回のウッドショックは、「第三のウッドショック」と呼ばれています。
第三のウッドショック
アメリカでの住宅ブームによる北米材の米マツなどの品薄や、輸送コストが上昇急激することで、木材の価格が高騰。木材が輸入できず、日本国内の木材不足・価格高騰が生じている事態
なぜウッドショックが起きたのか?
きっかけはコロナの影響でした。
◆アメリカの住宅市場が活性化し、アメリカ国内での木材需要が増えて輸出が激減
コロナ禍を受けて、リモートワークが増え、都市部に住まう必要性がなくなりました。
コロナ前は落ち込み気味であったアメリカの住宅市場が、コロナ禍における生活様式の変化を受けて一気に活性化。住宅・別荘ブームとなっているのです。
そのために、アメリカ国内での木材需要が増え、輸出に出回る木材が激減してしまいました。
◆中国の景気回復に伴い、他国の木材を買い占められている
アメリカから木材を買えないなら他の国から買えばいいのでは?と思われるかもしれませんが、それを実行しているのが中国。
今、他国の木材の多くを、景気が回復傾向にある中国が買い占めている状況下にあります。
輸出側も、日本は品質にうるさく値切りもするから、なんでも買ってくれる中国に売ってしまおう、という流れがあるようで、中国に競り負けてしまっているのです。
◆コンテナ不足で原木を運べない
今、原木を運ぶ海上コンテナが不足しているのです。
コロナ禍の影響を受けて、運転するコンテナ数や作業員の数を少なくしていたところに、
ステイホームが叫ばれ、巣ごもり需要が拡大しました。現場は混乱しながらにも懸命に対応しましたが、物流がかつてないほどに活性化し、結果として「コンテナが足りない」という事態になってしまいました。それによって、物流コストも高騰。「コンテナ不足」に「価格も高騰」、日本に原木を運べない状況となっているのです。
(※このコンテナ不足は、木材に限らず、輸入に頼っている物資は影響を受けると思われます)
ウッドショックによる影響
- 建築費などの価格の上昇
- 工期の延期や滞り
なぜ、業界がここまで騒然としているのかというと、
日本の住宅市場は輸入材に大きく頼っていたためです。
輸入材は、国産材に比べて安価であるため、輸入材を使えばローコストで家が建てられます。
今、日本の住宅市場はできるだけ安く家を建てることが一般的になっています。
ローコスト住宅が求められている現状があり、輸入材に頼っていた企業が多いのです。
そのため、安価な輸入材の仕入れが出来ないどころか、木材そのものが手に入らないこの状況では、
住宅価格の上昇や、工期の延期・ストップなどの影響が考えられます。
国産材を使えばいいのでは?
今、輸入材が手に入らない状況なので、必然と国産材の需要が拡大しています。
しかし、これまで輸入材に頼り切っていた日本では、今後、必要とされるだけの国産材を賄いきれないという現実があります。
これまで、安価な輸入材の存在ゆえに、国産材はあまり売れず・求められずといった状況が長年続いてきたのです。
山で木を伐採する素材生産者も減り、日本の山は長い間ほったらかしにされてきました。
そのため、急激な国産材の需要に対応できるほどには、木材の生産体制が充分に整っていないのです。
このままの状況が続けば国産材もが品薄となり、価格高騰が免れません。
現に、大手のメーカーが国産材を買い占め出しました。
国産材の価格も日に日に上がっています。
すでに着工の契約をしてしまった方や、工事が始まってしまっている方などは、
突然訪れたこの状況に不安を抱かれていると思います。
正直いつまでこの木材不足の状況が続くのかはわかりません。
工務店やメーカーとの相談・料金確認を密にしていただくことが、今できることかと思います。
長野県産材・国産材を扱うキグミノイエのこれから
長野県産材・国産材の製材屋も担うキグミノイエとしては、この状況は危機的ながらも、
国産材の生産体制を見直し、普及する機会となり得るとも考えています。
国産材の一般的な流通は下図のような流れで行われています。
キグミノイエでは自社に製材部があり、中間工程を大きくカット出来ます。
このような内製化の体制をとっているため、原木(丸太)を扱う市場から直接仕入れができ、国産材を適正価格で提供できるのです。
国産材の流通によって、日本国内の山の循環サイクルを良くして自然環境にも貢献していくことは、キグミノイエが掲げる目標の一つでもあります。
脱炭素社会の実現に向けて、キグミノイエも人や自然、環境に配慮した「家づくり」を行っていきます。
使う木材は、山の成長に合わせた循環を重んじ、
建てる家は、CO2排出量を抑えた省エネルギーの木造住宅を。
「木」はCO2を吸収し、木の内部に留める「炭素の固定化」が出来ます。
木製品として使用されても固定化はそのままです。
つまり木造住宅を建てるだけで、地球温暖化の防止策となるのです。
持続可能な社会を目指し、長く快適に暮らし続けられるように、キグミノイエも努めていきます。
この危機的状況を前向きに捉え、国産材の普及や、生産体制の改善を呼びかけながら、
国や市場やお客様と協力して乗り越えていきたいと考えております。
そして、国産材をめぐる政策や体制を、
つくり手と住まい手が国と一丸となって整えるきっかけともなれば、と思っております。
素材生産者を増やし、木材の生産体制を整えていかなければ、今後また輸入材に依存することになってしまいます。
単純な輸入品の代替えではなく、日本の山の循環サイクルに合わせた、持続可能な国産材の適切な供給が必要とされるのです。
高品質な木をお客さまの暮らしにお届けするために、キグミノイエも国産材が普及しやすい体制をつくっていきます。
そしてこれまでの社会構造に、一石を投じることができればと考えております。
キグミノイエでは、原木の流通が本格化する秋口まで木材に若干の余裕がありますので、
今住宅をご検討中でしたら、ご相談くださいませ。