今さら聞けない!構造計算ってなに?どの計算方法が安全?
皆さま、こんにちは。
自然素材を大切に、職人の手づくりによる無垢の木の家「キグミノイエ」です。
前回のブログでは耐震等級についてお話しました。
耐震等級とあわせて「構造計算」をすることが、地震に負けない家づくりにはとても重要です。
耐震等級が同じ家でも、構造計算をしている家と、していない家とでは、耐震性能が大きく違ってきます。
構造計算って何?
構造計算とは
建物そのものの重さや、積雪時の重さ、家具を設置したときの重さなどによって、建物がどう変形し、どう応力が生まれるのかを計算し、安全性を確かめること
家にかかる荷重は2種類
水平荷重:横軸に受ける荷重のこと
・地震力
・風圧力
鉛直荷重:縦軸に受ける荷重のこと(重力と同じ方向)
・積雪荷重(積もる雪の重さ)
・固定荷重(建物そのものの重さ)
・積載荷重(床に乗るもの、人や家具などの重さ)
構造計算では、これらの荷重を全て数値として算出します。
構造安全性確認の方法は3種類!
▼構造の安全を確認する方法は大きく3種類あります
仕様規定(※上図の一番下の項目)
仕様規定は最低限の簡易計算を行うものです。
三つの簡易計算(壁量計算・壁と配置バランスを知る四分割法・柱と柱頭柱脚の接合方法を知るN値計算法)と8項目の仕様ルールから成り立ちます。
全ての木造住宅はこの仕様規定で定められた計算が必須となりますが、最低ラインの計算のため安全性には物足りなさを残し、安全性を確実に確認できるものとはなっていないのが現状です。
性能表示計算(※上図の真ん中の項目)
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」=「品格法」に規定されている計算をします。長期優良住宅に必須となります。
仕様規定に比べると計算項目は増えます。許容応力度計算に比べると、柱や横架材、基礎の計算に物足りなさがありますが、一応一通りの計算を行います。
構造計算(※上図の一番上の項目)
許容応力度計算を行うもので、木造3階建ては必須となります。
許容応力度計算は一般に構造計算と呼ばれています。(※構造計算・性能表示計算・仕様規定の3つを全てまとめて、構造計算と称する場合も多いです)
構造安全性レベルが3種類のなかで最も高く、最も詳しく計算します。一番安全な計算方法といっても良いでしょう。
※キグミノイエではこの許容応力度計算を行っています
【構造計算の基本】検討の項目について
①壁量の検討(かべりょうのけんとう)
・壁量計算
・壁の配置バランス
・柱の柱頭柱脚の接合方法など
▶︎耐力壁の数や配置の確認をして壁の力の検討
▶︎壁は雨風をしのぎ、家全体を支えているため、重要な検討です
②部材の検討
・柱、梁の設計
・たるき、棟木の設計
・土台の設計
▶︎部材の検討とは、木造住宅の骨組みである柱や梁の組み方、大きさを決めること
▶︎家の重さ(荷重)を元に決める
③地盤と基礎の検討
・地盤調査
・地盤補強工事
・基礎設計など
▶︎家全体を支えられるか地盤を調査し、地盤にあった基礎の設計ができているか確認をする
【注意】四号建築物確認の特例の落とし穴
四号建築物確認の特例をご存知でしょうか。
実は、構造計算をしっかり行ったか否かあやふやになる理由の一つに、「四号建築物確認の特例」の存在があるのです。
四号建築物確認の特例とは
一般的な木造住宅(2階建て以下)は「四号建築物」と呼ばれ、建築士が設計し計算を行えば、確認申請時に構造計算書を提出しなくても良いという特例のこと
この特例が、建築士が設計を行えば、構造計算はしなくても良いと誤解されていることが時々あります。
そのため、間違っているとも思わずに構造計算をしていない住宅が建てられてしまうのです。
家づくりには超重要『構造計算して』としっかり伝える!
前述の四号建築物確認の特例に対する注意に加えて、「構造計算」という言葉を知っているかどうかで、その後の家づくりに影響が生じる場合があります。
「地震に強い家づくりをしてください」とつくり手側に伝えたとき、地震に強い家は作るけど、構造計算(許容応力度計算)まではしなくても良いという認識をされてしまって、「地震に強い家を作りました!(確認はしていないけれど)」なんてことも起こり得るのです。
全てのメーカーや工務店がそうではありませんが、この構造計算をしっかり行わない企業があるのもまた事実で、気をつけなければならない部分でもあるのです。
「地震に強い家を作りたい+構造計算もしっかりしてください」と伝えるのが確実でしょう。
キグミノイエでは構造計算もバッチリ!耐震等級3!
キグミノイエでは耐震等級3以上で、かつ構造計算(許容応力度計算)もしっかり行います。
(※耐震等級3以上=許容応力度計算で1.5倍以上でているので以上としてます)
構造計算は外注で行うメーカー・工務店が多いなか、キグミノイエでは自社で計算します。
計画初期の段階から、変更があるたびに何度も計算を行い、施主様にもわかりやすくご説明いたします。
構造計算を自社で行うメリットは、外注費がかからずコストを抑え、いつでもプロが質問にお答えできるところにあります。
構造計算をしっかり行うと、A4容用紙400枚以上ほどに…(両面刷りです^^;)
耐震について、構造について、ご不明点があればお問い合わせください。
キグミノイエの一級建築士が徹底サポートいたします。
また資料請求や住宅相談も随時受け付けております。
どうぞお気軽にお申し込みくださいませ。
(参考文献:「楽しく分かる!木構造入門 改訂版」著者:佐藤実 2018年発行)