木育から考える森林のこと②〜森林がもたらすさまざまな機能について〜
皆さまこんにちは。
無垢と自然素材を豊富に使った、職人のていねいな、手刻みによる「キグミノイエ」の広報担当、木村です。
前回は木育から考える森林のこと①として、地域の山の木を使うメリットをお話しました。木をつかうことで健全な森林(人工林)を育成することが出来て、災害が起こりにくくなる経緯をお話ししました。しかし、森林には災害を防ぐこと以外にもさまざまな機能があることをご存知でしょうか?
今回は、健全な森林を育成することで私たちの生活に深くかかわっているさまざまな機能についてお話しいたします。
森林がもたらすさまざまな機能のうち8つをご紹介します
①生き物のすみかを守る
森林にはたくさんの生き物がいます。動物は木の実などをエサにするため、動物にとって森林はとても住みやすい環境です。森林を守ることにより、森林に住んでいる生き物を守ることができます。
②地球の環境を守る
森林は地球温暖化の原因の1つである二酸化炭素の吸収や酸素の放出、木から水の蒸発散により自然環境を調節しています。
二酸化炭素吸収
森林は二酸化炭素を吸収し、光合成をして酸素を放出します。森林における二酸化炭素の吸収量は、私たちの呼吸から排出される二酸化炭素の約2倍です。
化石燃料代替エネルギー
木造住宅で使用する木材を製造する際に放出される炭素の量は、鉄骨プレハブ造住宅の約3分の1、RC造住宅の約4分の1です。
木造住宅は、建築中にも炭素の放出量が少ないですね。
さらに、木は燃やさない限り炭素を放出しないので建っている間は炭素を放出しません。
キグミノイエでは、外壁や内壁なども自然、環境に優しいものを取り入れております。たとえ何十年、何百年後に取り壊されたとしても、再利用できます。
詳しいお話は、別のブログにてお話ししますね。
③土砂災害を防ぐ
森林は、間伐などの手入れをしていると木の根が地中深く伸びて土壌と岩盤を固定して、山崩れや土砂の流出を抑えています。
土壌の上には草や低木、落枝、落ち葉などがあり、土壌に直接雨が当たりにくくなります。この低木や草などがあることで雨が降っても土壌の流出を防ぎます。
④水や川をキレイにする
土壌にいる土壌生物が長い年月に積もった落ち葉や落枝を分解して、腐葉土を作ります。腐葉土は、雨が降っても雨水を素早く土壌に浸透させます。水は土壌に貯めるため川の水量が急に増えることはありません。また、日照りが続いても水分を土壌に貯めているので、急に水がなくなることもありません。
雨水は土壌を浸透する間に水をろ過しながらミネラルを吸収して水をキレイにします。森林土壌は浄水器のような働きをします。
ミネラルは森林から流れでる水となり川に溶け出します。川に溶け出したミネラルは植物プランクトンが光合成をして増やします。植物プランクトンを動物プランクトンが食べ、動物プランクトンを魚が食べます。このように、森林の健全な育成をすることで川の魚や海の魚も住みやすい環境になります。
⑤癒しや休養の場をになる
森林は森林浴やトレッキングなどで、木々を目で楽しみ、耳で小鳥や葉の音を楽しみ、鼻で匂いなど、五感で癒しやマイナスイオン効果を得られます。
⑥快適な周辺環境をつくる
気候緩和
森林の周りの気温は、都心部に比べて低くなるなど、周辺地域の温度の変化を和らげる働きを持っています。長野県の郊外では、緑が豊かなので暑い夏でも市街地より涼しいです。
空気をキレイにする
空気には汚染物質が含まれている場合がありますが、木々にチリやホコリを吸着させ空気をキレイにします。
風を弱める
森林に風があたることで家や農産物などに直接あたる風を弱めます。
⑦教育の場になる
自然にふれる体験をすることで森林の環境を学ぶ教育の場をつくります。
日本人は太古の昔より、森林から得られる木材をさまざまな用途につかう木の文化を育んできました。木材で箸や家具などの日用品から、住居や神社、仏閣などの建造物などが作られてきました。
木の文化は、木材をあつかう職人文化とともに後世に引き継いでいかなければなりません。
⑧木材や山の幸の供給
森林は、私たちに木材や山の幸などを提供してくれます。
森林を守ることで、毎年たくさんの山の幸を採ることができます。
まとめ
このように森林はさまざまな機能があります。森林を守ることで生物を守り、災害を防ぎ、水をキレイにしてくれます。また、森林は癒しや、教育の場、山の幸をなどを提供してくれます。
皆さんも木育を通じて、木や木製品との触れ合い、木への親しみや木の文化への理解を深めてみませんか。木の良さや利用の意義を学ぶことは、森林のことを考えるきっかけになり、森林を守る第一歩となるでしょう。
キグミノイエでは、自然、環境、身体に優しい住宅づくりをおこなっております。
住宅の購入をご検討されている方や、お悩みの方など、また移住に関するご相談も承っております。
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